八王子ふたば保育園の園舎は二階建て、普通の住宅より少し大きい程度でしょうか。園庭は面積300平方メートルほど、園舎も園庭も決して広くはありません（もちろん基準は満たしています）が、狭さを補う工夫をして保育に取り組んでいます。
園舎内はオープンルームで壁の仕切りがありません。“クラスはあっても教室はない”保育園です。クラス別の部屋を設けて別々に保育を行っているのではないのです。保育園全体を子どもたちのための空間と考え、クラスにこだわることなく活動しています。これによって、大きい子が小さい子の世話をしたり、小さい子が大きい子を見習って新しいことを覚えたりといったことが自然に生まれてきます。
園庭には木を植え、花壇を設け、子どもたちに季節を感じてもらえるように考えています。「狭い園庭では子どもたちの身体能力の発達に支障があるのではないか」と懸念するご意見をいただくこともありますが、子どもたちの身体能力の発達にとって大切なのは、「園庭の広さ」ではありません。日々、身体をたくさん動かし、元気よく活動する、その積み重ねが、子どもたちの身体と心を育むのです。狭い園庭ですが、子どもたちのために最大限に活用しています。
八王子ふたば保育園は住宅街の中に建っています。駅前の繁華街からは距離があり、保育園の周囲の道路は車の通行もほとんど無く、昼間は子どもたちの声だけが聞こえています。保育園のすぐ南側には八王子市立第七小学校があります。第七小学校に通う卒園生もいますので、学校帰りに保育園に立ち寄ってくれたりします。
保育園の近くには信松院や金剛院といったお寺があります。桜や藤、蓮の花などを見ることができるので、花の時期になると園外保育で出かけていって見せてもらいます。見晴らし公園や上野町公園、富士森公園などの公園も点在しています。これらの公園も園外保育の定番コースです。園外保育に出かけて、子どもたちはいろいろなものを“発見”して帰ってきます。